滋賀どうぶつ
循環器センターについて

コンセプト

滋賀どうぶつ循環器センターはフルール動物病院の2階に併設された循環器疾患の専門的な検査・治療を行う施設です。
心臓病の動物たちとそのご家族の為に、循環器疾患に精通する獣医師が診療を担当し、質の高い治療を提供できるよう日々努めています。
愛犬、愛猫の心臓病で不安を持たれているご家族の方は一度ご相談ください。

当センターで行える検査

  • 問診・触診・聴診

    いつから具合が悪いのか、普段の生活の様子など、症状の度合いや頻度を問診します。呼吸状態や粘膜の色、心雑音の有無やリズム、肺音などの異常がないかを調べます。

  • 血液検査・尿検査

    貧血や炎症の有無、肝臓や腎臓など多臓器への影響の程度、電解質バランス、血液中のpHやガス濃度、心筋の損傷具合等を検査します。

  • レントゲン検査

    心臓の大きさや血管系、肺や気管の評価を行います。複数の体位で撮影を行い、様々な角度から異常がないかを確認していきます。

  • 心電図検査

    不整脈の検出、判別を行います。麻酔前検査でも必須の項目です。また1~3日間、連続装着するホルター心電図検査も可能です。

  • 血圧検査

    血圧が高いと、心臓には強い圧力がかかるため、さまざまな心臓病の疾患を引き起こします。そのため、血圧検査を行えば病気の重症度および治療効果が判断できます。

  • 超音波検査

    心臓の内部構造と血流を評価して、心疾患の診断や重症度の判定を行います。循環器科では重要な検査です。

当センターで行える治療

  • 開胸手術

    心臓血管外科や呼吸器外科、食道外科など、胸部領域の外科を数多く実施しています。動脈管開存症や血管輪異常の治療、腹膜心膜横隔膜ヘルニア整復、肺葉切除、乳び胸における胸管結紮など、幅広い胸腔内疾患に対応しています。

  • ペースメーカー植え込み術

    洞不全症候群や第3度房室ブロックなどの徐脈性不整脈に対して、人工ペースメーカーを体内に設置する治療法を行います。中~大型犬には心内膜リード、小型犬や猫には心外膜リードが適応になります。

  • 心血管内カテーテル検査・治療

    末梢血管からカテーテルを挿入し、造影検査や心臓内の各部屋の圧測定を行ったり、バルーンやコイル等をデリバリーして、狭窄部位や短絡部位の治療を行うことができます。DSA機能のあるCアームが活躍します。

症例の紹介

  • 僧帽弁閉鎖不全症

    中年齢以上の小型犬で最も多い心疾患です。左心房と左心室の間の僧帽弁が粘液腫様変性等でうまく閉まらなくなることで、血液の逆流がおこり、結果的に心拡大や肺水腫の原因となります。咳や運動不耐性といった症状が特徴です。
    治療は強心剤や血管拡張薬、利尿薬などを必要に応じ組み合わせて使います。また心臓手術によって僧帽弁を治す方法もあります。
    重度の僧帽弁逆流が確認され、心拡大の進行したACVIMステージB2と診断された本症例では、強心剤、血管拡張薬の他、降圧剤および利尿剤を用いることで、心拡大の軽減、僧帽弁逆流の軽減も確認されました。

  • 肥大型心筋症

    心筋症にはいくつかの種類がありますが、猫の代表的な心疾患として肥大型心筋症が知られています。全身に血液を送り出すために収縮する左心室の心筋壁が分厚く変化し、心室内腔が狭くなってしまい、うまく血液が送り出せなくなる病気です。また左心室の手前の左心房内で形成された血栓が大動脈内で塞栓する原因となります。
    複雑な病態のため、有効な治療も個体ごとに違いがある厄介な病気ですが、本症例では心拍数を下げる薬と、抗血小板薬を用いて、心拍出量の改善、左心房内血栓形成を予防し、長期維持できています。

  • 動脈管開存症

    胎仔期に肺動脈と大動脈をバイパスする動脈管が、出生後も遺残開孔してしまう病気です。犬の先天性心疾患の中で最も多く発生します。仔犬のワクチン時などに特徴的な連続性心雑音が聴取されて発見されることが多いです。進行するとアイゼンメンジャー症候群となり、1歳までに半数が亡くなってしまいます。
    治療はできるだけ早期に動脈管を閉鎖することであり、外科的に結紮する方法とコイルやプラグで短絡血流を止める方法があります。
    本症例では、体重1kg程度の仔犬にジャクソン-ヘンダーソン法という手術を行い、完治させることができました。

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